土地だけ所有の「地主(3252)」に新規投資|配当株投資日記(25年~10月10日)
										今週は日経平均株価の終値48,088.80円、先週末比2,319.30円高でした。
高市トレードで大きく株価が上がっている中、今週は記事のタイトルにある『地主(3252)』という銘柄に投資しました。(表の一番下)

なぜ『地主(3252)』に注目したのか
私はこれまで、三菱商事やKDDI、東京海上など、いわゆる「王道の高配当株」を中心にポートフォリオを組んできました。いずれも増配傾向が強く、長期保有で安心感があります。
大型株で地固めができてきたため、ほかの中小型銘柄をさがしていたのですが、そんな中で今回新たに投資したのが、不動産業の中でも異色の存在──地主(3252)です。
時価総額は600億円ほどの会社で、「地主」という社名からしてユニークですが、事業内容を調べると、他社にはない独特の強みがあります。
建物を持たない不動産会社
地主は東証プライム市場上場の不動産会社です。
一般的な不動産会社は、土地を買い、建物を建て、テナントに貸して賃料収入を得るモデルが多いですが、地主は真逆の発想。
土地だけを所有し、建物は一切持たない。
地主は底地(借地権付き土地)を取得し、企業や個人に定期借地権付きで貸し出すことで安定収益を得ます。
つまり、建物の老朽化リスクや修繕コスト、空室リスクをほぼ負わずに済む構造です。
この「土地だけで回す」仕組みが、地主の最大の特徴です。

また、地主は自社の底地をリート(不動産投資法人)やファンドに組み入れて運用するなど、金融的なアプローチを強化しています。
他社にない独自性
地主の独自性は、不動産業界の中でも群を抜いています。
- 建物を持たない=リスクが小さい
不動産会社の多くが建物資産の減価償却や修繕リスクに悩まされる中、地主は土地のみ。固定資産税以外の維持コストが少なく、キャッシュフローの質が高い。 - 底地市場を独占的に開拓
底地ビジネスは一般のデベロッパーにとって手間の割に収益性が低く、参入が少ない。地主はここに特化して20年以上ノウハウを積み重ね、事実上のパイオニア。 - 金融と不動産のハイブリッド
底地を「不動産」ではなく「金融商品」としてパッケージ化し、リート・ファンドに販売。銀行や保険会社など機関投資家からの資金流入を取り込んでおり、出口戦略もしっかりしている。 - 全国ネットワークと再現性のあるモデル
地域限定ではなく、全国の商業地・郊外地に広がる底地案件を標準化。特定地域に依存しないリスク分散型ポートフォリオを形成。 

この独自性の面白さに惹かれて投資を決めました。
不動産というと首都直下型地震や南海トラフ地震が起こってしまったら・・・と考えると投資にためらってしまうのですが、地主はその心配が少ないのが良いところです。
また、市場も拡大傾向にあるようで、今後の成長期待も高いです。特に土地を所有している企業の資本効率改善を目的とし、固定資産(土地)を売却してバランスシートの軽量化→ROE改善が求められているため、地主のモデルの企業ニーズは高そうです。

今期の業績に関して、ビジネスの肝となる土地の『仕入れ』は、今期目標の700億円を7月時点(1~12月決算)で達成、10月1日のプレスリリースでは9月までの累計で867億円を達成しています。
今期過去最高益を目指していましたが、そこは問題なさそうです。
また、累進配当を宣言しており、配当性向も20~30%台と無理をしていない点は良いですし、配当も3月・9月にもらえるのはありがたいです。

リスク要因
もちろん、地主にも注意すべきリスクはあります。
以下は地主の業績の推移ですが、右肩上がりであるものの、年度によって利益の凸凹がある点は要注意です。

まとめ
「地主」は、土地という最も安定した資産を活用しながら、金融の仕組みで運用する“新しい形の不動産会社”です。配当株投資の観点から見ても、
という三拍子がそろっています。私はこの銘柄を、長期でじっくり保有する安定配当株としてポートフォリオに加えました。
少し地味ではありますが、インカムもキャピタルも狙える銘柄として今後も株数を増やしていきたいと思います。

転職で減った収入を配当株投資で補い、信州ライフを満喫中。自身の経験が誰かの役に立てばと思い、ブログを始めました。
移住・投資・松本観光・登山・庭づくりなど、様々なコンテンツを発信していきたいと考えています。
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